本科編T

 有形の事物には全て始まりと終わりがあります。
しかし、人の心・精神には始まりがあっても終わりがないのです。
人の心は肉体が誕生した時点で、霊魂が呼び寄せられて、
最終的に原始の精神(宿核)を形作り、
そして肉体と精神の狭間に『心』が誕生するとの説明がありました。
心・精神を受け止める肉体は、有形世界の範囲にありますが、
精神・心の範囲は無形世界範囲なのです。
その為に、肉体(有形・事物範囲)は始まりと終わりがありますが、
心・精神(無形・不可思議範囲)に始まりがあっても終わりがないのです。

 正しくは、霊魂の集合体が自己意識であり、
個々の霊魂には自己意識はないのです。
その個々の霊魂には始まりも無く終わりもないのです。
ここに、宗教で言う輪廻転生の哲学・ものの捉え方があるのです。
ところが一般には、この世に生を受けた人は、
肉体の誕生をその始まりとします。
そして肉体の死を以てその終了とします。

 例え理屈は分かっていましても、伝習院・算命学を学ぶ者は、
あなた自身の誕生以前の世界に、
運命的改良を及ぼす事は残念ながら不可能です。
既にご先祖・ご両親によってあなたが誕生したのです。
あなたの誕生は、ご両親の生き方の結果でもあるのです。
両親の原因で生まれたあなたが結果であり、
ここのところを伝習院・算命学で『親子の因果』の関係と言っているのです。
ところが、あなた自身の現在と未来・子々孫々の代に亘って、
今後の世界に対しては、運命的改良を及ぼす事が出来るのです。